新宿に行った。 そこで4ヶ月ぶりに人の手を握った。 3月に行ってから一度も行っていなかったから、かれこれ3ヶ月ぶりの新宿だった。 私は学校がかつて新宿にあったから新宿が山手線の中では一番安心するところで、大きな買い物があるときは選ぶことも考えることもなく新宿ですませる。 たくさんのビル。たくさんの音。たくさんの人。 このご時世でも新宿という街は相変わらず広くて狭く
手を握る
画面越しのいのち
先日はじめて「オンラインお茶会」というものをした。 このご時世。 自粛で外に出ることが出来ない。好きなときに好きな人達に会うことができない。顔を見ることができない。一緒にご飯を食べることもできない。 多分2ヶ月前だったら友達とビデオ通話で顔つき合わせて話すなんて「勘弁」だったはずだ。 家で部屋着姿のすっぴんが、何が悲しくて顔を見せなければならないのか。ちゃんとした服を着てメイクを
サンボマスターとわたし
ライブでワーッとやっている人ってどういう神経しているんだろう? 手とか振り上げちゃってさ。 踊っちゃってさ。 そんな自分が好きなのかな? ギターなんてうるさいし。がなるようなボーカルなんて何言ってるかわからないし。 絶対ライブなんて行かない。ラブアンドピース? なにそれ。 なんかこわい。 そう思っていた。 私はクラシックで育った。 ロックンロールなんて聞い
悪夢が悪夢をやめるとき
ずっと悪夢を見ていた。 海外から帰国してもう十数年間、3日に1回くらいかな。 悪夢というのはなかなかやまない。結構律儀なもので習慣になる。 見ていると「ああまたか」と思うし、見終わったあとも「まただったな」と思う。涙をぬぐいながら。 私にはいくつか涙を流すほどの悪夢がある。 その中の一つの悪夢が、一年前に消えた。 2019年の最後に、その話をしようと思う。
怒れない
怒れない。 文字通り怒れない。 怒りという感情を日本語で数年前に初めてまともに知った。 ……というとなんだか中二病が治っていない感じがひしひしとするが、実際そういう人間は私の周りにごろごろいるので、一定数いなくはないのだと思う。 例えばどういうふうに怒れないか。 ケース1。『道でわざとぶつかられたら』 怒れない。「痛い」「怖い」「悲しい」「私が悪